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お知らせ | 犬猫専門・小山動物病院

小山動物病院|横浜市泉区の犬・猫 動物病院

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お知らせ

オウム病(人畜共通感染症)

2009.08.05

オウム病(人畜共通感染症)

 概要

    我国のヒトのオウム病は、1999年~2007年までの8年間で277例の診断、報告があり性別では女性がやや多く、年齢群別では、50代をピークに幅広い年齢層にみられます、時期的には春から夏にかけて多く、それは鳥の繁殖期であるこの時期に産卵、子育てにストレスがかかるため保菌している鳥が菌を排泄するためと考えられています。オウム病は、ほとんどが散発例で、家庭内、食肉加工場、動物公園、鳥展示施設などで発生しています。統計上、国内で小鳥を飼育している家庭は推定300万世帯あって、飼育鳥は国内生産と輸入をあわせて毎年20万羽が市場に流通していると言われています。また、東南アジアなどの森林に生息するオウム・インコ類の捕獲時におけるオウム病クラミジアの保菌率は45%であるが、輸送、輸出中に水平感染が拡大することで、販売前の健康にみえる鳥類の1020%が保菌しているとの報告もあります。以上の統計を参考にすると、鳥類の保菌率の高さから考えるとヒトでの発症は今のところ幸運にも少ないです。しかし今後大流行も否定することはできないので、感染源の調査や発生の予防対策が重要で、医師・獣医師・行政などの連携がこれからも必要だと思います。

原因

    病原体は、偏性細胞内寄生性グラム陰性小球菌(クラミドフィラ シッタシ)です。鳥のほとんどは保菌していても外見上健康であって、体力が低下した時や、ヒナを育てる期間などでストレスが加わった時、あるいは他の疾病を併発したような場合に排菌し感染源になります。排菌は主に排泄物や分泌物から行われ、このような不顕性感染鳥が長期間にわたり環境中を汚染することにより健康な鳥類、哺乳類がクラミドフィラ シッタシを吸引、経口、接触などの感染経路により感染します。

 症状

    初感染のヒナ鳥で発症し死亡する場合もありますが、ほとんどは不顕性感染で、保菌鳥となり、輸送、気温の変化、産卵、疾病、栄養不良などのストレス要因により発症する場合が多くみられます。症状はさまざまで、元気消失、食欲減退、削痩、鼻腔からの漿液性から化膿性排液、結膜炎、緑色下痢便、粘血便、羽毛逆立、痙攣などがみられることがあります。インコ類が多く発症し事例の7割を占めています。

   鶏は比較的抵抗性があります。牛が感染すると、妊娠68ヶ月目に流産してその後回復しても不妊症になりやすいと報告があります。ヒトの場合には、インフルエンザ様の症状を呈する肺炎型と肺炎症状が顕著でない敗血症様症状を呈する型があります。

 診断

   1、鳥との接触歴、飼育歴など問診疫学的調査法

   2、病原体の分離、培養、抗原検出、遺伝検出などによる検出法

   3、血清診断法

 治療                                                                                                      

    抗生物質

        テロラサイクリン系が第一選択薬

        マクロライド系、ニューキノロン系が第二選択薬

    補助療法

 予防

    まず、飼育鳥がオウム病に感染しないように給餌、給水、清掃、温度、飼育羽数、など飼育環境を考え鳥にストレスを与えない飼育方法を選択する。しかし、鳥が体力低下したときや、ヒナを育てる期間などストレスが加わったり、あるいは他の疾患と合併したりしてオウム病が疑わしい場合には早く隔離して、検査、治療をする。

   同時に飼い主の健康被害に対しても十分に留意する。飼育鳥との口移しの給餌など濃厚接触を避け、こまめにケージの清掃を行う。清掃の際には乾燥した糞、排泄物による塵埃の吸引予防のためマスクなどを着用する。もし、飼い主に体調不良があり、オウム病が疑わしい場合には医師に飼育鳥が居ることや、鳥との接触があったことを告げてください。

 

エキノコックス症(人畜共通感染症)

2009.07.06

エキノコックス症(人畜共通感染症)

  エキノコックス症は、エキノコックスという寄生虫によって引き起こされる感染症の一つで人畜共通感染症です。この病気は、感染症法で4類感染症に分類されているので、感染した犬を診断した獣医師はただちに最寄りの厚生労働省管轄の保健所に届け出をしなければなりません。4類感染症には、他に鳥類のウエストナイル熱があります。

原因

この寄生虫は4種類あるが、世界的に分布し主に家畜間で伝播する単包条虫と北方圏諸国を中心に分布し野生動物に伝播する多包条虫の2種類が重要視されています。

そのうち、単包条虫の幼虫寄生(単包性エキノコックス症)は我国では、ごく稀で輸入感染症としてみられる程度であるが、多包条虫の幼虫寄生が原因の多包性エキノコックス症は、北日本でキツネの移動にともない増加しています。この疾患は、北海道内のキツネにみられる地方病と思われてきましたが、飼育犬の1%に感染が認められ、2006年には埼玉県内の捕獲犬からも感染が確認され、我国に拡大することが懸念されています。

感染経路

 多包条虫には卵、幼虫、成虫の時期があり、成虫は、感染した終宿主であるキツネや犬等の上部消化管に寄生しています。(この場合には無症状)卵は、感染したキツネや犬等の寄生成虫が産卵をして糞と共に排泄されるので汚染地域自然界に散乱しています。幼虫は、中間宿主である野ネズミ等(小型齧歯類)が散乱している卵を水や食物を介して経口的に摂取することにより、体内に入り成虫にならずに幼虫のまま体内寄生(病害有り)しています。そして、次々と感染野ネズミ等をキツネや犬等が捕食して感染が拡大して行きます。多包条虫にはこのようなライフサイクルがあり、このライフサイクルの間に人が卵を偶発的に経口摂取することにより中間宿主として感染し長期間無症状後発症します。しかし、人から人・犬・ネズミ等には感染は起こりません。

症状

 終宿主であるキツネや犬等ではほとんどが無症状です。人は、単包条虫の幼虫寄生(単包性エキノコックス症)の場合には、肝臓や肺に嚢胞性病巣を形成して、自然破裂を起こしアナフィラキシーショック死する以外は比較的良性の経過をたどります。多包条虫の幼虫寄生(多包性エキノコックス症)の場合には、感染後無症状の期間が515年間続き肝臓に腫瘍様病変を形成し、肝臓周囲の組織や肺・脳などに転移をきたすこともあり、病巣の発育は遅いが悪性の病態を呈すことが多く、有効な薬物療法もなく、無症状期に早く診断をして患部を切除することが唯一の根治的治療法です。

検査

 キツネや犬等の場合には糞の中に卵が出てくるので検便検査をする。

 人の場合には現地の疫学的調査、血清学的検査、X線検査、超音波検査、細胞検査等診断が行われますが確定診断までが大変に困難な病気です。

治療

 キツネや犬の場合には、症状が乏しいので感染をみつけることが難しいが成虫に対する駆虫薬の投与が効果あります。

 人の場合には、早期発見による患部の外科的切除と薬物療法。

予防

 北海道でキツネと生活圏が接近している場合には感染の危険性が高いので、手洗いの励行、屋外での素手による摂食は慎み、民家や家畜小屋へのキツネの侵入を阻止し、周囲に寄せ付けない対策が必要です。汚染地域での沢水や小川の生水は飲まない。野山の果物や山菜など口にする場合には、よく洗うか十分熱を加えてから食べる。(卵は、零下20

 度ぐらいの低温では死滅しません、しかし、熱には弱く100度1分間の加熱で死滅します)。早期発見治療が第一の疾患なので定期的に北海道内の場合には検診を受けることが大切です。飼い犬の場合には、北海道の調査によれば1%の感染率でキツネに比べれば低い値ではあるが、放し飼いの犬が感染野ネズミを捕食した場合には人への感染源になるので、犬等ペットは外で放し飼いはしないこと。何らかの事情によりペットの飼育が続けられなくなった場合はペットを捨てることは絶対に避けてください。捨てられたペットが感染源となり、感染症が蔓延する可能性が高くなります。

 

 

レプトスピラ症(人畜共通感染症)

2009.06.04

レプトスピラ症(人畜共通感染症)

概要

  レプトスピラはスピロヘータ目レプトスピラ科に属するグラム陰性細菌で、病原性レプトスピラは自然界ではげっ歯類など多くの野生動物に保有されており、その他家畜やペットもレプトスピラを保有していることがあります。

  病原性レプトスピラは保有体の腎臓に定着し尿中へと排泄されることから、レプトスピラ保有体の尿、あるいは尿によって汚染された水や土壌が感染源になります。

  人は、レプトスピラを含む尿との直接的接触や尿によって汚染された水や土壌を介して経皮的あるいは経口的に感染します。また、感染初期の発熱期はレプトスピラが血中にも存在することから血液も感染源となります。

原因

  病原性レプトスピラ細菌を、最も一般的には汚染した食餌や水、土壌からの直接的摂取が原因で感染します。潜伏期は4~12日間です。

症状

  大部分の感染犬は無症状のままで経過し、尿中に菌を排泄し感染源となります。

  軽症型から黄疸、出血、腎不全をともなう重症型まで多彩な臨床症状を示します。通常は4~12日の潜伏期の後に38~40℃の発熱、筋肉痛、元気消沈、結膜と口粘膜の充血などから始まり黄疸や腎不全に移行します。発症後数時間から2~3日で死亡する犬もいます。

検査

  1、血液学的検査

  2、生化学的検査

  3、尿検査

  4、菌の分離、培養検査

  5、血清学的検査

治療

  第一選択薬として抗生物質、抗菌剤を2週間長期投与し、その他肝臓、腎臓の支持療法として、脱水、電解質の補正、尿毒症の処置、肝障害の処置を行います。

予防

  レプトスピラ症の感染は、汚染された尿が粘膜や皮膚に付着して侵入するため、排泄物の取り扱い方に注意が必要です。感染動物の汚染源となりうるものについては逆性石鹸、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤による消毒を実施するか、マスクや手袋を着用すると予防できます。

Q熱 (人畜共通感染症)

2009.05.08

Q熱 (人畜共通感染症)

 概要

   Q熱は1935年にオーストラリアで食肉処理業者の間に集団発生した熱性疾患として初めて報告されました。わが国には1980年代までQ熱は存在しないものと考えられていましたが、1987年にQ熱の原因菌であるコクシエラ菌が発見され国内におけるQ熱の存在が明らかになりました。

   Q熱は多彩な病型を呈すること、犬・猫など身近な動物種が人への潜在的な感染源

   となること、そして食品由来感染なども報告されています。しかし実際には大多数の症例は暴露をうけても不顕性感染あるいは一過性の発熱、気道感染症状程度で改善することが明らかになっています。

原因

   Q熱の病原菌コクシエラは偏性細胞内奇生体で大きさ0,20,4×1,0μmの多型性の小桿菌様の形態をとり、本菌は人に対する感染力が非常に強く、加熱処理や乾燥、消毒剤や紫外線などに対しても極めて抵抗性が高い菌です。自然界における感染宿主域はきわめて広く、最も重要な感染源はウシやヒツジ、ヤギなど家畜類であるが、犬や猫など愛玩動物も重要である。その他、種々の哺乳類や一部の鳥類なども本菌を保菌して潜在的な人への感染源となる。そしてこれら宿主動物の排泄物や分泌物による飛沫感染が人への主要な感染経路となる。

症状

   ウシ、ヒツジ、ヤギなどの家畜、犬、猫などの愛玩動物に広く感染するQ熱の症状は軽い発熱を示す程度で、多くは不顕性感染にとどまり、妊娠動物が感染すると流産、死産を起こすことがあります。人では病原体暴露後2~3週間の潜伏期を経て発症し、インフルエンザ様上気道炎、肺炎、急性肝炎、不明熱などの症状が見られます。感染例のうち50%は不顕性感染にとどまり、40%はインフルエンザ様上気道炎など軽症例で、残る5%が肺炎、肝炎の病態を呈すると考えられています。

診断

   診断方法はコクシエラ菌の分離、血清学的診断、細胞性免疫の測定、DNA診断などが用いられています。

治療

   テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗生物質が有効で、特にテトラサイクリン系のミノサイクリンの3~4週間の連続投与は治療効果が高いです。

                                            

パスツレラ症 (人畜共通感染症)

2009.04.14

パスツレラ症 (人畜共通感染症)

概要

  パスツレラ症は、牛の出血性敗血症、あるいは鳥類における家禽コレラなどの致死   

  的感染症の原因菌として知られています。しかし近年ペットブームとともに、人に感染するパスツレラ感染症が増加しています。ペットから人に感染した場合には局所化膿症、呼吸器感染症などを生じ、さらに糖尿病、肝障害、AIDSなど基礎疾患がある場合には重篤になり、敗血症、骨髄炎などの報告があります。

原因

  パスツレラ属菌には10数菌種があり、そのうち人には4菌種が原因菌とされています。

症状

  犬、猫では、口腔内常在菌のため多くは症状を示しません。しかし咬傷などにより皮下に化膿を呈したり、まれに肺炎症状が認められます。

検査、診断

  血液寒天培地で培養し、菌の鑑別を行う方法や抗毒素抗体を検出する方法があります。一般的には、原因動物および感染経路を特定する疫学的解析が用いられています。

治療、予防

  治療はペニシリン系、セフェム系、テトラサイクリン系の抗生物質が有効です。

  また抗生物質の使用に際しては、耐性菌に注意を要します。

  パスツレラ菌は、犬や猫の口腔内常在菌のため、抗生物質などで一時的に除菌しても、時間が経てば再度常在化します。従って人への感染予防はなるべく犬や猫に咬まれたり、引掻かれたりされないように注意して下さい。また、体の免疫力の低下している人は、犬や猫とキスをしたり、口から食べ物を与えたり、顔を舐めさせるなどの過剰なスキンシップには特に注意して下さい。

  

回虫症 (人畜共通感染症)

2009.03.07

回虫症 (人畜共通感染症)

概要

  犬に寄生する回虫には、犬回虫と犬小回虫の2種類が知られています。猫に寄生する回虫には、猫回虫とまれに犬小回虫が小腸に寄生して胃腸障害を引き起こします。また犬回虫の幼虫は、発育の間に体内移行を行い肝臓、肺およびその他の臓器や組織に移行してそれぞれの部位に障害を与えます。

原因

  犬回虫

   感染した子犬のほとんどが母親からの経胎盤感染であって(まれに経乳感染もある)、感染子犬は生後3週目から虫卵を排出します。6ヶ月以上になると成虫は消化管から自然に排除されるため、成犬での虫卵はほとんど確認できません。虫卵は排出後、10~20日で感染力をもつようになります。成虫の体長は雌で5~18cm、雄で4~10cmあります。

  犬小回虫

   犬、猫とも主に汚染糞便やネズミなど感染した待機宿主を捕食することにより感染します。感染後2ヶ月前後で成虫になります。犬小回虫の幼虫は体内移行を営まず、胎盤感染も起こさないので幼犬ではほとんど被害はなく、通常若犬猫、成犬猫で寄生がみられます。中卵は排出後、5~10日で感染力をもつようになります。成虫の体長は雌で5~18cm、雄で4~10cmあります。

  猫回虫

   感染した子猫のほとんどが経乳汁感染です。その他、汚染糞便の経口摂取やネズミ、ミミズ、ゴキブリなどの感染した待機宿主を捕食することでも感染します。犬回虫のように胎盤感染はしません。また、犬とは違い、成猫になっても成虫は消化管内から自然に排除されないので、長期にわたり感染源となります。虫卵は排出後、10~20日で感染力をもつようになります。成虫の体長は雌で4~12cm、雄で3~7cmです。

症状

  若齢動物では、寄生数の程度により下痢、嘔吐、腹痛、腹囲膨満、発育遅延、衰弱、

寄生数が特に多いと腸閉塞を起こすことがあります。少数の寄生の場合には症状が

認められない場合もあります。

診断、検査

  糞便検査で虫卵を確認し、類似する寄生虫卵を鑑別する。また、吐物または排便中の虫体の鑑別によって診断できます。

治療

  各社から販売されている駆虫薬を投与する。

予防

  人に犬回虫卵や猫回虫卵が経口的に摂取されると、小腸内で孵化して幼虫となり、腸壁から侵入して体内移行を始めさまざまな病態を引き起こします。症状により1、内蔵型トキソカラ症 2、眼型トキソカラ症 3、神経型トキソカラ症 4、潜伏型トキソカラ症 などの4型に分類されています。

  予防としては、飼育する犬、猫の糞便検査を行い寄生虫がいた場合には、的確な駆虫薬を用いて駆除を行えば安全です。また早めの糞便の片付けや手洗いの励行は自己防衛の大切な手段です。

  特に3~5歳の子供に好発するといわれていますので、小さなお子様の居る家庭で室内飼育の場合には十分な注意が必要です。また公園の砂場などは猫が排便することが多いので遊んだ後は十分な手洗いが必要です。

皮膚糸状菌症(人畜共通感染症)

2009.02.02

皮膚糸状菌症 (人畜共通感染症)

概要

  最近の家庭内飼育動物は、単なるペットから伴侶動物として、よりいっそ 

  う人と密接に接触する飼育形態に変化してきました。

  それにともなって皮膚科領域にも動物から人へと感染したと思われる皮膚

  糸状菌症(慣例として白癬と呼ばれる)の報告が多くなってきました。

  皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌に属する真菌が表皮角質層、爪、被毛などに

  寄生することによって引き起こされる皮膚表皮の疾患です。

原因

  皮膚糸状菌症を引き起こす皮膚糸状菌として現在約40種が知られています

  その中で、白癬菌属(トリコフィートン属)表皮菌属(エビデルフィート      

  ン属)小胞子菌属(ミクロスポーム属)の3菌属に分類されています。

  犬の皮膚糸状菌症の原因菌は約70%がMicrosporum canis、約20%がTric

     hophyton mentagrophytes、約10%がMicrosporum gypseumです。猫では、

  約99Microsporum canis、です。ウサギやハムスターではTrichoyhton mentagrophytesが原因の場合が多いです。

症状

  頭部(特に顔部)や体部(ウサギやハムスターは腹側面に多い)に境界明

  瞭な円形の脱毛部が同心円状に拡大し、時間の経過とともに先に脱毛した

  部分から発毛する(中心性治癒)。痒みは、一般的に軽度ないし中程度ある

  が、細菌性の二次感染があれば顕著となります。

検査

  1、ウッド灯検査

     360nmの紫外線を照射すると感染被毛は蛍光を発する。

  2、直接

     病巣から被毛や角質を採取し、顕微鏡で菌糸や分節胞子の有無を確

     認する。

  3、培養検査

     病原真菌を培地で培養して分離同定する。

  4、病理組織学検査

     病変部から組織を採取して、病理学的に菌要素の検索を行う。

  5、免疫学的検査

     原因菌の培養濾液を用い、免疫応答能の検査を行う。

治療

  皮膚糸状菌症は、治癒するまでの間罹患動物から病原性を有する菌要素が

  環境中に散布されるので、同居動物や飼い主への感染が拡大する危険性が

  高くなります。そのため感染予防を図りながら、環境浄化、局所療法、全

  身療法を併用してできる限り短期間に治療を行ってください。

予防

  罹患動物を早期に発見し、厳重に隔離し治療を行う。完全に治療しないと

  保菌状態となり、再発して他への感染源となる。脱落感染被毛なども感染

  源となるので、徹底して環境を浄化することが必要です。人をはじめ他の

  動物にも感染することに留意してください。

サルモネラ感染症 (人畜共通感染症)

2009.01.05

サルモネラ感染症 (人畜共通感染症)

概要

  サルモネラ感染症は、細菌性食中毒の代表的疾患の1つで、カンピロバクター、ノロウイルス、腸炎ビブリオ等と毎年国内で上位を争う代表的な人の食中毒原因菌となっています。また、サルモネラ感染症は、近年ではペットの犬や猫をはじめ爬虫類や両生類から人へ感染した報告もあります。

人への感染は、主として成人では急性胃腸炎である。小児や高齢者が感染した場合には、症状がより重篤化し、菌血症を併発しやすい。そのため、公衆衛生上問題とされています。

原因

  原因は、サルモネラ菌です。この菌は自然界のあらゆるところに生息し、家畜、ペット、鳥類、爬虫類、両生類が保菌し食中毒ならびに人畜共通感染症の重要な原因細菌です。国内では、入手しやすいミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)での報告が多く、国内で飼育されているカメ類でのサルモネラ保菌率は18%と報告があります。その他、トカゲ類で75%、ヘビ類で90%であると報告があります。

症状

  犬・猫をはじめ小動物では、一般的に急性胃腸炎として嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失が認められ、特徴的な所見はほとんどないので見過ごされることが多いです。

検査

  新鮮な糞便を一般的な検査センターに分離・同定、抗生物質の感受性試験などを検査依頼します。

治療

  抗生物質やニユーキノロン系製剤を中心に輸液などの対症療法を行います。

予防

  原因食品、特に鶏肉、鶏卵の低温保存管理、それらの調理時および調理後の汚染防止が基本的な予防になります。また、サルモネラ菌は、動物の消化管に保菌されており糞便から人の口に入り感染する場合も多いので、動物に触れた後は必ず早めに手をよく洗う必要があります。

  ペットには、生肉を与えないように注意してください。

犬は散歩中に拾い食いをすることがあるので注意してください。

犬や猫はゴミをあさるので注意してください。

狂犬病 (人畜共通感染症)

2008.12.15

狂犬病 (人畜共通感染症)

概要 

  狂犬病は致命率100%と言われ、極めて危険な人畜共通のウイルス感染症です。すべての哺乳動物に発生し、多くは本症に罹患し狂暴化した動物の咬傷によって感染します。このウイルスは、感染すると中枢神経系に特異的に親和性があり、大脳皮質の神経細胞内で増殖をします。この時期に反射機能が亢進して攻撃的狂暴性の神経症状を示します。やがて増殖したウイルスは下行して全身に広がり麻痺症状を示します。この時期に唾液腺細胞などで盛んに増殖した病獣の唾液は高い感染性を示します。そして、最後に呼吸麻痺が起こり死亡します。

  わが国では、幸運にも島国であることと犬の予防接種の徹底や厳重な動物検疫により、1957年以降動物での発症はありません。しかし、1970年に一例と200611月にフィリピンで感染をして帰国後60歳代の男性2名が続けて狂犬病を発病し死亡しています。

原因

  狂犬病ウイルスが病獣の唾液から咬傷などにより感染する。飛沫感染も存在します。

症状

  犬の潜伏期間は1016日であり、症状は一般的に1525日以内に現われます。

   1、食欲不振、異嗜症状

2、不安、挙動の異常

3、流涎

4、異常吠声、攻撃的狂暴的神経症状

5、沈うつ

6、起立不能(麻痺)、昏睡

診断

  1、臨床症状の疑わしい場合には、丈夫なケージ内に隔離収容し少なくとも2~3週間観察をする。

  2、脳細胞のネグリ小体と非化膿性脳炎像の有無による病理組織学的診断をする。

  3、ウイルスの分離試験および蛍光抗体法による診断をする。

治療

  一度発症してしまった狂犬病に対する有効な治療法は今のところないです。

予防

  狂犬病予防法が昭和25年に制定され、犬の所有者は生後91日以上の犬に年1回狂犬病の予防ワクチンを接種することと役所に登録届けをしなければならない義務があります。近年、わが国においては国内での犬の狂犬病の発症がないため、犬の所有者はこの法律の遵守がうすれてしまい、接種率が40%を切ってしまいました。

  WHO(世界保健機関)では感染防御に70%の免疫集団が必要であると報告していす。接種率が40%を切る日本国内の現状は非常に危険な状態であると認識しなければなりません。

WHOは人の場合には、もし狂犬病の危険のある動物に咬まれた場合には、ただちに傷口を洗浄、消毒し、人狂犬病免疫グロブリンを6回接種して発症を抑える狂犬病暴露後発病予防法を推奨しています。また、海外渡航者で感染の危険が考えられる場合には、狂犬病暴露前免疫として通常3回組織培養狂犬病ワクチンの接種を受けるとよいです。

猫ひっかき病 (人畜共通感染症)

2008.11.26

猫ひっかき病 (人畜共通感染症)

概要

  猫ひっかき病は人の病気です。一見ふざけた呼び名ですが、英語に直して    

  も(キャット・スクラッチ・デイジーズ)れっきとした世界共通の病名で  

  す。猫にひっかかれたり、かまれた後、赤く腫れたり、発熱やリンパ節が

  腫れる病気です。しかし、動物側にはほとんど不顕性感染で症状は出ませ

  ん。米国では、年間約40,000人の人が感染すると報告されています。わが

  国でも人畜共通感染症の中では一番多いといわれ、推定1~2万人の猫ひ

  っかき病の発生があり、決してまれな疾患ではなく、米国と同じような発

  生率であると言われています。

原因

  近年、原因がバルトネラ・ヘンセレという細菌であることが判明しました

  この細菌は、感染を起こした猫の赤血球と猫ノミから分離され、猫ノミが

  媒介昆虫であることが明らかになりました。

猫の赤血球内にこの細菌が感染をしても、猫の健康状態には変化がありま

せん、しかし、その猫に寄生した猫ノミが吸血するとバルトネラ・ヘンセ

レ菌は、猫ノミの体に入り猫ノミがフンをしたときに一緒に出てきます。

このノミフンは猫の毛に付き、猫が舌でグルーミングをした時や皮膚をか

いてノミをつぶした時に、猫の口や爪に菌が付きます。そして、猫が人を

ひっかいた時や咬んだ時に、菌が人の体の中に侵入し感染するという仕組

みです。

その他にも直接猫ノミに刺されることにより人への感染や犬を飼っていて

その犬に猫ノミが寄生していた場合にも感染した報告があります。

疫学

  国内の猫からのバルトネラ・ヘンセレ菌の分離率は7,2%で、寒冷地(0%)

  より温暖地(20%)に多く、気温の高くなる夏に猫ノミの活動性が高まり保

  菌猫が増加すると考えられています。

  また、3歳齢以下の猫の保菌率が高く、成猫からの感染報告は少ない、理由

  は、成長とともに免疫機構(抗体)が排除するからではないかと考えられて

  います。

  人の感染は15歳以下の症例が4550%を占めており、9歳以下では男子に多

  発する傾向が報告されています。

検査

  罹患猫や犬に臨床症状が出ないので、抗体検査が可能です。

 

 

治療

  感染猫に対して、ドキシサイクリン、リンコマイシン、アモキシリンなど

  の抗生物質を投与することである程度抑制することはできますが、血液中   

  から完全に菌を排除することは出来ません。

飼い主様の対応

  特に拾った子猫にノミが多数寄生している場合や飼育者の家族に15歳以下

  のお子様がいる時には、十分な注意が必要になります。

  感染防御として猫による外傷を避けることであるが、ペットの飼育環境を

  清潔にし、ノミの予防・駆除や猫の爪切りなどが有効です。その他、なる

  べくペットは室内飼育の方が感染やノミの寄生の予防ができます。

  もし、猫からの受傷があり、発熱がある場合には医療機関へ受診して状況

  を医師に説明することが重要です。