サルモネラ感染症 (人畜共通感染症)
サルモネラ感染症 (人畜共通感染症)
概要
サルモネラ感染症は、細菌性食中毒の代表的疾患の1つで、カンピロバクター、ノロウイルス、腸炎ビブリオ等と毎年国内で上位を争う代表的な人の食中毒原因菌となっています。また、サルモネラ感染症は、近年ではペットの犬や猫をはじめ爬虫類や両生類から人へ感染した報告もあります。
人への感染は、主として成人では急性胃腸炎である。小児や高齢者が感染した場合には、症状がより重篤化し、菌血症を併発しやすい。そのため、公衆衛生上問題とされています。
原因
原因は、サルモネラ菌です。この菌は自然界のあらゆるところに生息し、家畜、ペット、鳥類、爬虫類、両生類が保菌し食中毒ならびに人畜共通感染症の重要な原因細菌です。国内では、入手しやすいミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)での報告が多く、国内で飼育されているカメ類でのサルモネラ保菌率は18%と報告があります。その他、トカゲ類で75%、ヘビ類で90%であると報告があります。
症状
犬・猫をはじめ小動物では、一般的に急性胃腸炎として嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失が認められ、特徴的な所見はほとんどないので見過ごされることが多いです。
検査
新鮮な糞便を一般的な検査センターに分離・同定、抗生物質の感受性試験などを検査依頼します。
治療
抗生物質やニユーキノロン系製剤を中心に輸液などの対症療法を行います。
予防
原因食品、特に鶏肉、鶏卵の低温保存管理、それらの調理時および調理後の汚染防止が基本的な予防になります。また、サルモネラ菌は、動物の消化管に保菌されており糞便から人の口に入り感染する場合も多いので、動物に触れた後は必ず早めに手をよく洗う必要があります。
ペットには、生肉を与えないように注意してください。
犬は散歩中に拾い食いをすることがあるので注意してください。
犬や猫はゴミをあさるので注意してください。